「雷撃防護の基礎知識」
The "Grounding" for Lightning and EMP Protection
第19章:ローカルエリアネットワーク(LAN)
フロア同士や建物同士を結ぶ情報ラインは、接地ループ電流によるハム障害と同様に、サージ電流によって電子機器が障害を受ける可能性があります。コンピューターのデータラインにはツイストタイプの平行線や同軸線が用いられます。
それぞれの機器ごとに接地を行なっているシステムは、調和のとれているシステムがループ電流によって深刻な被害を受ける可能性があります。同軸線は通常、両端で信号線用のアースに接続されていますが、これは言い換えると電力ラインの”Neutral”線に接続されているのと同じ事です。こうした接続方法では2種類のアース電位が存在する状況が発生し、シールド線にループ電流が流れてしまいます。こうした問題を避けるためには、一端のみを大地に直接アースし、もう一端は絶縁タイプのプロテクターを用いてアースと絶縁する方法が有効です。
絶縁タイプのプロテクターは、絶縁された一方の同軸コネクターと、他方のコネクターとのデータの中継のみを行ないます。また、このユニット自身はアースに接続します。絶縁タイプのプロテクターは90Vの耐電圧を持っています。リモートのサイトで同軸線が接地されているからといって、取り回してきた同軸線のプロテクトが不要になるということはありません。データの品質を保つためには、リモートのサイトからの同軸シールド線をそのまま機器に接続するのではなく、必ずプロテクターを取り付けてください。
メインのコンピューターでは通常の同軸プロテクターを用います。このプロテクターでは絶縁は行わず、システムとアースの間をプロテクターを介して接続します。
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