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Polyphaser
(ポリフェーザー社:アメリカ)


「雷撃防護の基礎知識」
The "Grounding" for Lightning and EMP Protection

第18章:電話交換機とホストコンピュータ

電話交換機とコンピュータールームは多くの点で共通点があります。交換機の中身はコンピューターであり、言い替えると、電話会社にT-Carrierと呼ばれるインターフェースを通じて接続されているLAN(ローカルエリアネットワーク)に、そのコンピューターが接続されていると考えることができます。

  前章までに述べたラジオ中継局サイトで述べた殆どの事が、交換機やコンピュータールームに応用できます。すべての交換機やコンピュータールームが、高周波リレータワーやその他の無線機器を持っているわけではありませんが、防護の必要性のないI/Oは一部で、その他のI/Oは同様の防護が必要となります。

●音声/データ用I/O

  短距離のデータ通信を行なう場合、金属被覆などのない光ファイバーを用いることが最良の方法です。この光ファイバーを用いることでI/Oに対する危険を一つ減らすことができます。平行フェダー線を用いる時にはプロテクターが必要になります。電話会社などで用いられているガスチューブタイプのアレスタは一世代前のもので、ガスチューブのクロウバー効果によって発生する急激な電圧変動は、デジタル機器にスパイクによる悪影響を及ぼします。このアレスタを用いる時にはクロウバー効果によって発生する誘導エネルギーを押さえるためのローパスフィルターが必要になります。ここではクロウバー効果のない容量バランス型のMOVプロテクターをお奨めします。

L-Carrier同軸線では、同軸線を交換機に接続する前に接地キットを用いて接地を行ないます。また、中心導体を流れるサージを抑えるために、同軸プロテクターを取り付ける必要があります。

T-Carrier平行線やLANにおいては、広いバンド域の低い動作電圧を持つ特殊なタイプのプロテクターが必用になります。ここでは電話会社のリピーター用の特別なユニットを使用することができます。

●電力ラインI/O

電話会社はバッテリーを用いて機器を駆動させる場合があります。この時交流電源を用いる機器は、インバーターを用いて直流を交流に変換して使用します。ここで利用される電源は無停電電源装置(UPS)と呼ばれています。UPSは充電器、バッテリー、インバーターで構成されています。電力ラインのサージからUPSの充電部を保護するために、電力幹線とその他の電力ラインにプロテクターを取り付ける必要があります。あらゆるコンピューター装置はサージなどの電力ラインの障害に対する対策として、プロテクターなどの機器を装備することが理想的です。

床材に静電気防止材を用いることで、装置を静電放電から守ることができます。またイオン発生器などを導入する方法も有効です。

高層階のコンピュータールームでは、建物の構造となる鉄骨にアースを取って下さい。鉄骨に接続してアースを取った鋳造アルミニウムのタイルを敷き詰め、EMPガスケットはこれに接触させて下さい。この方法は静電放電に対する対策にとどまらず、高層階にアース条件の良い床を作ることになります。

よく見られるトラブルは、多くがプロテクター間の低インダクタンスの配線(LまたはT-Carrierの電力ラインなどの平行線)や、大地への放電回路などで発生します。

交換機やコンピュータールームなどで最も多く発生する問題は、接地ラインを流れるサージ電流が発生する電磁波の影響で、別の保護すべきラインに電圧が誘起されてしまうものです。(例えばプロテクターの接地ラインから、バッテリーやデータのラインにサージが誘起されてしまう場合などです。)他のラインにサージが誘起されてしまうことで、主要な機器がダウンしてしまうなどの障害が発生します。電磁場を遮断してこのような障害を避けるためには、一端を接地したEMTコンジットを用いるのが最良の方法であることは前述した通りです。

以上に述べた方法を用いれば、こうした問題は解決することができます。接地システムを設計するときには、ある程度考慮すべきことがありますが、こうした努力に見合うだけのメリットがあります。接地システムは正しい理論に基づいて構築するべきであり、システムの更新に伴って設計も「優れた接地」という本来の目的に従って更新する必要があります。そうした更新を怠ると、システムは大型化に伴って扱いにくいものとなり、損害を被る可能性も増大してしまいます。

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