株式会社 コムクラフト
     TOP > ハイパワーRF部品 > COMET > 解説3 製品案内 採用情報 会社概要 お問い合わせ サイトマップ HOME ENGLISH
製品案内
高電圧部品
通信・マイクロ波部品
RF・大電力部品
X線・センサー機器
航空・宇宙・医療用部品
トータルサプライサービス
ケーブル・コネクタ
コンデンサ
スイッチ・リレー
サイトマップ
製品案内
 製品案内
 
 真空コンデンサのコメット
 
70年以上にわたる超真空技術は世界標準 
 
世界各国にサービス拠点を置き、抜群の信頼性 
 
半導体、有機EL、ソーラー、液晶、分析機器から核融合まで 
 
COMET
コンデンサの選定に当たって/技術情報



●型式について

COMET社のコンデンサの型式は以下のように定義されています。

例:CV3W 1000XXXX/45 の場合
 
C-セラミック製の外殻
V-V: 可変容量コンデンサ
  F: 固定容量コンデンサ
3- 内部電極間構造
W- 冷却方法 A:強制空冷方式
          W:水冷方式
          C:自然空冷方式
1000-最大静電容量
XXXX-この4ケタは同一タイプ内でのバリエーションを表します。
45-最大テスト電圧(単位kv)

●ご注文に際して/他社製品からの置き換えについて

COMETのカタログには、真空コンデンサの選定に必要となる技術情報が詳細に掲載されています。ご注文の際には、容量値の後の番号も含めた正確な型番をご用命ください。本サイトに掲載されていない製品の情報については、コムクラフト営業部にお問い合わせいただければ速やかにご送付差し上げます。
もし、他社製コンデンサからの置き換えをご検討される場合には、お客様のアプリケーションに応じた技術的アドバイスならびに最適な製品の選定をさせていただきます。

●新規回路でのコンデンサ選定に当たって

電圧はピーク電圧、電流は実効値(RMS)であることにご注意ください。

コンデンサの静電容量と最大動作電圧が既知の場合、コンデンサを流れる電流の理論値は以下のように計算されます。

I Arms= Upw ・√2・π・f・c

Upw:最大動作電圧[V]
f :周波数[Hz]
c :静電容量[pF]

コンデンサ内を流れる電流を計算する際には、安全係数を考慮する必要があります。半導体製造装置のスパッタリングなどのように、アークが頻繁に発生して高い共振周波数を持つケースでは、プラズマの非線形的挙動によりマッチボックス内に反射波が貫入する恐れがあるため、こうした安全係数の考え方が必要となってまいります。放送用途では変調後のAM送信機出力は、変調前の搬送波パワーよりも大きくなることを考慮する必要があります。これら用途で用いる安全係数は経験的な値として"1.25"が用いられています。

用途に合ったコンデンサの選定のためには、以下のデータが既知である必要があります。

−静電容量の可変レンジ幅
−最大テスト電圧(最大動作電圧に1.67を乗じたもの)
−最高動作周波数

コンデンサ選定の例

●コンデンサ容量:100 - 380[pF]
●ピーク動作電圧:4[kV]
●使用周波数:13.56[MHz]

・100 pFにおける電流値:

10kV・√2π・13.56MHz・100pF=24[Arms]

・380 pFにおける電流値:

10kV・√2π・13.56MHz・380pF=92[Arms]

・安全係数を1.25と設定する
・13.56MHz での最大電流:1.25×92[A] = 115[A]
・最大テスト電圧    :1.67×4[kV]>6.7 [kV]minimum

よって条件に合致する製品は CV1C-500ZM/7.5 となります。

フランジ取付型やネジ穴取付型などの外形の違いについては個々の製品仕様書の中に記載されています。また電流や容量の性能曲線は御要望に応じて提供させていただきます。

■技術情報

●定格電圧(Voltage Ratings)
カタログ上には以下の2種類の電圧定格を示してあります。

ピークテスト電圧(Peak Test Voltage)
コンデンサ内部或いは外部に破壊を生じることなく、ある一定時間加えうる最大電圧(50Hz/60Hz)です。COMETの真空コンデンサは90kVまでのラインナップを取り揃えております。工場出荷後、およびユーザー各位の受入段階で、真空コンデンサの全般的な品質状態を判断するのに加えうる電圧となります。
テスト機器についてはCOMET高圧テスターHV100-30或いはHV60-50をご参照ください。

ピーク動作電圧(Peak RF Working Voltage)
この電圧は連続的に加えうる最大動作電圧を規定します。通常この電圧は上記のピーク電圧値の60%で、この差が実際の使用のに際しての安全率になります。
なお、気圧の低いところではセラミック外殻の絶縁性が低下するので、海抜高度の高い地域での使用の際は、大気圧の影響を考慮する必要があります。

●DC用途について
DCプラスRF或いはDCブロッキング用途では、フィールド・エミッション電流による特有の問題がコンデンサに生じます。COMET社独自の製造技術により、DC用途でのコンデンサ漏れ電流値は0.1μA以下の極めて低いレベルを達成しています。この数値は通常のAC用途に要求される値よりもはるかに低い値になっています。

COMET真空コンデンサの漏れ電流レベル
 固定容量真空コンデンサ:< 1µA
 可変真空コンデンサ(≦15kV):< 10µA
 可変真空コンデンサ(>15kV):< 1µA

なお、通常の製品の実力値は、上記スペックの10%以下となっています。
製品の優れた性能を有効に引き出すためには、DCプラスRFの動作電圧を、ピークテスト電圧の20〜25%以下(定格電圧の33%以下)という充分なマージンを持って使用することをおすすめします。

●電流定格(Current Ratings)
カタログ記載の電流定格は、そのコンデンサが通常動作条件下、すなわち周囲温度25℃で適正な取り付け状態において流しうる最大電流値(RMS)です。後者の取り付け方法は大電流、特に100Armsを越えるような使用条件下ではその取り付け部自体がコンデンサ冷却システム構成の一部をなすため、重要な要素となります。
25℃を越える周囲温度で使用する場合は図6の減衰曲線をご参照ください。取り付け部の温度及び熱伝導率も最大電流を決定する重要なパラメータとなります。この減衰率の適用はフランジ上のコンデンサの平衡温度を測定のうえ決定する必要があります。許容最大電流定格値はそのコンデンサの最大動作電圧を基準とした値です、従って、より低い電圧での使用時にはその電流値についても適宜引き下げる必要があります。


図2:真空コンデンサの電流-周波数特性
(例:CV1C-500ZM/15)

・静電容量(Capacitance):
公称静電容量値が50pF以上の固定コンデンサの容量偏差は±5%以内、また50pF以下の固定コンデンサの容量偏差は±10%以内、となっています。
可変コンデンサの可変容量幅は最小から最大までの静電容量値を確保しており、カタログ記載のキャパシタンス・カーブの静電容量の値に対する精度はカーブの直線部分において±10%以内です。また、カーブに対するトラッキング精度は複数のコンデンサの基準点を最小容量値(ローキャパシタンスエンド)に設定した場合で±10%以内になります。なP、さらに精度の高い特別仕様のコンデンサも製造しています。


図3:回転数と静電容量の関係
(例:CV1C-500W/8)

・容量変化の方法・・・トルク/ダイレクト・プル
全ての可変コンデンサに、回転リードによるスクリュードライブ方式とプルロッド(引張)方式の2タイプがあります。回転トルク、及び引張力のデータはカタログ上に示してあります。

COMET社の可変コンデンサは全て、その最小及び最大容量値での機械的なエンドストップを設けてありますが、ユーザー各位におかれましても保護装置として歯車減速機等による損傷を防ぐためのエンドストップ検出、停止機構を設けられることをおすすめします。

真空コンデンサの故障発生の主要な要因として、シャフトの潤滑不全があげられます。駆動系とのカップリング(ジョイント部)がスリップするほどトルクが上がる結果となり、ひいてはミスマッチングを引き起こし、電気的にはオーバーロード状態になります。

これまでに、COMET社は駆動機構部の長寿命化に取り組んでまいりました。さまざまな材質、表面仕上げ方法、潤滑剤を組み合わせた研究を重ねた結果、動作回数100万サイクル以上の長寿命化を達成しております。

・クオリティ・ファクター(Q-Factor)
真空コンデンサの極めて低損失であるという特徴により、そのクオリティ・ファクターは非常に大きいものになっています。損失はコンデンサ本体の銅、とりわけベロー部分のRF抵抗によります。クオリティ・ファクターは使用周波数の関数で、一般的に可変コンデンサはベロー部分により加わる直列抵抗のためにその値は固定コンデンサよりも低くなります。通常では1000〜5000またはそれ以上のオーダーです。

・内部インダクタンス及び自己共振
真空コンデンサの自己インダクタンスは主として、その構造及び寸法で決定されます。固定コンデンサの自己インダクタンスは極めて低く、形式により2〜10nHの範囲にあります。
可変コンデンサの自己インダクタンスは固定コンデンサより多く6〜50nHで、これは可変コンデンサのベロー・可変電極端子等を内部構造の違いによるものです。従って可変コンデンサの自己インデクタンスは設定する容量値によって変化します。

左下の図に示すグラフは代表的な可変コンデンサの容量値に対する自己インダクタンスの関係を、また容量値に対する共振周波数の関係を表します。


図4:可変コンデンサの自己インダクタンス(L)と自己レゾナンス(fr)の関係
(例:CV05C-500W/8)


図5:真空コンデンサの等価回路

→次ページ 各種冷却方式の解説  
copyright(C) 2003 COMCRAFT Corporation All Rights Reserved.